2014年06月12日
私のスタンスは「マクラッケン パーシャルデンチャー」橋本京一訳
冒頭の一文
「他の人々とも学ぶことができるように
自分たちが得た知識や経験を独り占めにはしない
そんな歯科医師のために」
私は、この言葉に共感する。キャストパーシャルの真実は、歯科技工士含めた歯科医療人に対する強いメッセージであります。
連載の続きを中断するわけではないが、一休みとして読んでほしい事があります。
私が24歳の頃からの成書は「フアーレル」と「オズボーン」の2冊です。この2冊で私はパーシャルデンチャーの意味合いを学び多くを吸収しました。
著書の名前は 「オズボーン パーシャルデンチャー」
(訳者) 都留宏道 奥野善彦
昭和48年(1973年)出版 定価5500 発行所 医歯薬出版株式会社
その中の一節を紹介する。P.60(引用箇所)
(パーシャルデンチャーにおける力の分散)
今でいう「パーシャルデンチャーの力のコントロール」である。
(注釈) 文中のサドルとは、欠損部顎堤を指し、デンチャーベースコネクターを含めたデンチャーベースをいう。川島解説文
「一般的な法則として、義歯サドルに加わる力はできるだけ広く分散させることが賢明である。これは一定量の骨に加わる圧が少なくなり、したがって、生理的限界を越えにくくなるということから正しいといえる。垂直力ならびに水平力を分散させるのに相当多くの歯が必要とされる場合には、副木固定の考え方を取り入れる。力を広く分散させるにはサドルによって無歯顎堤を最大限に覆うことも必要であり、ときには口蓋を広く覆う場合もある。サドルに加わる力を一方では歯周組織に、他方では顎堤や口蓋に分散させることもある程度可能である。多くの例で成功を得ているのは、これらの組織に力を分散させる方法よりも、骨の同化性が高い症例であることによる。ほかの例で、同じく力の分散に関係なく失敗を招くこともある。このような例はさらに抜歯を要したり、全部の抜歯を要するようなときの診断および予後の失敗と考えられる。しかし、強い同化性をもった組織が有利にある程度の追加荷重を受けることがある。例えば、残存歯に進行した歯周病があって、ある理由のために保存してあるような場合には、できるだけ力を無歯顎堤の上に加えるようにしたほうがよい。反対に顎堤が委縮しているとき、できるだけ多くの天然歯に力を加えたり、あるいは全く顎堤に接触しない中間サドルを用いるのがよい場合がある。」
以上が、いわゆる力のコントロールの原点となりうる原理論と思う。
JOHN OSBORNE教授は当時英国における最高級の補綴学者で、非常な親日家でもあります。