川島哲のキャストパーシャルの真実

第15回 キャストパーシャルの真実

藤井未来先生の講演を聞いて

 

去る2月26日(日)金井孝行会長率いる(公益社団法人)群馬県歯科技工士会主催の生涯研修自由研修過程で、藤井未来先生が講演されました。

 

(テーマ)「女性が歯科技工士を続けるために

~女性技工士と共に働くみなさんへ」

 

講演の感想を述べるよりも、私がメモした内容を書き示す方が正確で良いと思います、ですので箇条書きに進めます。

 

勤務先の(有)タマデンタルサービスの社長の言葉

「女を雇うんじゃなくて歯科技工士を雇うんだから」

確かに同感する自分がいました。

 

就職するにあたっての藤井さんの求めた 三原則

1.福利厚生が完備していること

2.最初から最後まで自分で技工が行えること

3.男女別のトイレであること

自分のLaboと比較してクリアーしてるか?これは重要で働く要素と思います。

 

夜のバイトで働いてるところのママの口癖

「安い店には安い客しか来ない」 なんか納得しますね。この言葉は講演中に何回か出てきました。

 

「(産休)とは産前6週間 産後8週間を指す」

 

「水疱瘡やインフルエンザは予防接種していても子供はかかります」

 

「オカン業は24時間営業です」

 

「認可保育園」 こちらは公的

「認証保育園」 こちらは私立、企業運営体

 

彼女のお父様の言葉「その職業を選んだ時点で、その職業に向いているんだね」

69年生きた私の疑問が、このお言葉で払拭できました(笑)。

 

健康保険(社会保険) 厚生年金 雇用保険 は労使折半で負担

労災保険 は全額会社負担

 

藤井さんが職場を選ぶにあたっての条件

保育園の時間内で働かせてもらう

近所にある仕事場であること

車通勤が可能であること

――――夜中でも出勤可能であること

土日は休み

自費の仕事を希望する

 

藤井さんが通うネイリストの言葉

「人は嘘をつくけど行動は嘘をつかない」

 

藤井さんの言葉 「人間はできない理由を探すが、出来る理由を探す方が良い」

 

藤井さんのCAD-CAMについての姿勢

「機械が出来なくて、自分でできることは何?」

―――――だから、人間力を磨く

自分にかせた役割 1.高い技術力を身に着ける

2.歯科医師に対して良い提案が出来る

3.機械では判断できない生体の情報を加味した技工物

4.患者さんとのコミュニケーションが出来ること

 

クロージングの言葉

「何事も相手とガチで関われよ!!」

「愛情をもって誠実に人としてなせる技を邁進します」

 

以上がメモした内容です。もしかしたら演者から見て間違った記入があるかもしれませんが、その点は前もってお詫びいたします。

主婦でありながらの働く歯科技工士の24時間営業を垣間見せていただき誠にありがとうございました。改めて御礼申し上げます。

第14回「キャストパーシャルの真実」

クインテッセンス出版の月刊歯科雑誌は、今後変わるのか?
-Quintアドクロ所感-

 

クインテッセンス出版より、Quintアドクロが出されました。

PSD有村俊介広報理事による「オーラルフレイル予防・改善への取り組み」に関する文章が大きく掲載されていましたので興味深く拝見いたしました。

冒頭の北峯康充新社長様の挨拶文を拝見すると、これからは技術一辺倒から脱却した紙面展開が希望のようです。

歯科が医科と比較してチーム医療がなっていない現状を変えなければならない機運は歓迎ですが、ことさらに歯科技工士と歯科衛生士を制限の多い狭い世界に閉じ込めている状況を国民がはっきり知るところとなれば、まずそれを改革するべきだと皆感じるはずです。

ましてや歯科医師が介護の現場で医科と連携することが制度的にもできていない現状では、全身から見たオーラルフレイル予防改善には程遠い様子です。

私の理解では、相変わらず不良補綴物の蔓延で、歯科補綴が高齢者の健康に寄与しない状況が続いています。まだまだ技術の向上は必須です。

何よりも、不良補綴物を供給し続けるシステムを断たねばならないが、歯科界はそれを不問に付しています。

医科と歯科の連携を模索し融合するような紙面展開が、今後のクインテッセンス出版社のメイン3雑誌「ザ・クインテッセンス」「QDT」「歯科衛生士」で切り込めれば、それは改革の足掛かりとなるでありましょう。

 

 

(引用文献)Quint アドクロ

(注)北峯康充社長によれば、オーラルフレイルとは医師である飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構教授)らが、メタボのように国民に浸透してほしいという願いを込めて命名された言葉である。(フレイル=frailty:もろさ、弱点、欠点、過失 という言葉から。)

有村俊介氏は文中で要介護状態に至るまでに歯・口の機能の虚弱が関与するものを「オーラルフレイル」と呼ぶ。