川島哲のキャストパーシャルの真実

第14回「キャストパーシャルの真実」

クインテッセンス出版の月刊歯科雑誌は、今後変わるのか?
-Quintアドクロ所感-

 

クインテッセンス出版より、Quintアドクロが出されました。

PSD有村俊介広報理事による「オーラルフレイル予防・改善への取り組み」に関する文章が大きく掲載されていましたので興味深く拝見いたしました。

冒頭の北峯康充新社長様の挨拶文を拝見すると、これからは技術一辺倒から脱却した紙面展開が希望のようです。

歯科が医科と比較してチーム医療がなっていない現状を変えなければならない機運は歓迎ですが、ことさらに歯科技工士と歯科衛生士を制限の多い狭い世界に閉じ込めている状況を国民がはっきり知るところとなれば、まずそれを改革するべきだと皆感じるはずです。

ましてや歯科医師が介護の現場で医科と連携することが制度的にもできていない現状では、全身から見たオーラルフレイル予防改善には程遠い様子です。

私の理解では、相変わらず不良補綴物の蔓延で、歯科補綴が高齢者の健康に寄与しない状況が続いています。まだまだ技術の向上は必須です。

何よりも、不良補綴物を供給し続けるシステムを断たねばならないが、歯科界はそれを不問に付しています。

医科と歯科の連携を模索し融合するような紙面展開が、今後のクインテッセンス出版社のメイン3雑誌「ザ・クインテッセンス」「QDT」「歯科衛生士」で切り込めれば、それは改革の足掛かりとなるでありましょう。

 

 

(引用文献)Quint アドクロ

(注)北峯康充社長によれば、オーラルフレイルとは医師である飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構教授)らが、メタボのように国民に浸透してほしいという願いを込めて命名された言葉である。(フレイル=frailty:もろさ、弱点、欠点、過失 という言葉から。)

有村俊介氏は文中で要介護状態に至るまでに歯・口の機能の虚弱が関与するものを「オーラルフレイル」と呼ぶ。